「きょーくん」

「梅」


きょーくんの前まで歩いて行き意を決して名前を呼べばタイミング悪くきょーくんと被ってしまった。


「あ、⋯きょーくん先にいいよ」

「いや、梅こそ」


お互い遠慮して譲り合いをしてしまい、それが何だか可笑しくて笑ってしまった。

それに連られてきょーくんも笑う。


ああ、きょーくんとこんな風に笑い合ったのはいつぶりだろう。

どんなきょーくんも最高にカッコイイけど笑った顔が1番だな。

きょーくんが笑っただけで私まで嬉しくなるんだからその笑顔は魔法の様なパワーを持っているんだと本気で思えてくる。




じんわりと心が熱くなっていく。



じんわりと目頭が熱くなっていく。