「知ってました?小梅ちゃん、最近同じクラスの山野翔っていう男子と仲良いんですよ」 そう言えば分かりやすく顔を歪めるから私は思わず笑ってしまった。 「大切なんでしょ?誰にも取られたくないんでしょう?なら、伝えるべきです。自分の気持ちを小梅ちゃんに」 「⋯」 「伝えて、先輩」 そして、小梅ちゃんを幸せにしてあげて。 そう言って笑って見せた私に先輩は泣きそうになりながらも「ありがとう、真帆」と微笑んでくれた。 そして、 「伝えてくる。全部」 そう言ってくれた。