雷の日から約2週間が経った。
あの日きょーくんは雷が鳴り止むまでずっと抱き締めてくれていた。
僅かに晴間が見え出す頃には私の涙でグチャグチャになった顔を呆れた様に笑いながらも目が腫れると大変だからといって温かいタオルを用意してくれた。
本当、妹の様にしか見られていないなぁと傷付きながらもきょーくんとこうして話している、傍に居られる、触れられるという事実に嬉しくなっている自分もいた。
だけどあの日以降、雷の前と同じ様にきょーくんと話をする機会はない。
学校でたまに見掛けても真帆ちゃんといたりして声は掛けられないし、きょーくんも声を掛けて来ることは無い。
ああいう風なハプニングは例外として、顔を見れば避けてしまう。
雷の日は幻だったかのように。



