「きょーくんっ⋯」
「大丈夫だから、泣くな」
「っきょー、くん」
私の事を抱き締めながら、片手で頬を伝う涙を拭うきょーくんの温かさに安心感を覚える。
まだ外では雷が鳴っているけれど「怖かったな」と、「もう大丈夫だから」と言い聞かせる様に何度も言葉にしてくれたきょーくんのおかげで僅かに冷静さを取り戻した。
「きょー、くん」
「ん?」
「何でっ⋯」
冷静さを取り戻して1番に疑問に思ったのはどうしてきょーくんがここに居るのか。
不思議に思いながら未だに私を腕の中に包んでいるきょーくんを見上げた。
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