まだ雷も雨も降っていなシン、と静まった部屋で縮こまる。
ドキン、ドキン、と不安を表す鼓動がよく聞こえる。
お母さんが居るデパートの方は雷が鳴っていると言っていた。
もしかしたら、あと少しで雷がこの地域に移動してくるかもしれない。
「⋯っ!」
今、何か聞こえた様な⋯。
静かな家の中だからよく分かる。どんなに小さな音だろうが苦手な音だからこそよく聞こえる。
今、雷の音がしたっ!
ついに、この地域に雷が移動してきたんだ。どうしよう、どうしよう、どうしよう!
そんな焦りと不安を感じている内に雷の音はどんどんと大きくなってきていた。



