放課後になり靴箱へと行くと「梅」ときょーくんに声を掛けられた。
「きょーくん!」
「一緒に帰ろう」
そう言ったきょーくんに嬉しくて頷こうとした瞬間、
「恭也!」
という声がして声のした方を向くと綺麗な女の人が立っていた。
「まりな」
その女の人はまりなという名前らしく、その名前を呼ぶきょーくんにズキッと痛む胸。
だってまりなさんが誰かなんてすぐに分かってしまったから。
きっときょーくんの彼女。
今の彼女は見たことなかったけど、雰囲気からしてそうに決まっている。
「昨日も一緒に帰れなかったんだから今日は一緒に帰ろうよ」
きょーくんの腕に手を回して上目遣いで見上げるまりなさんはとても綺麗な人で。
緩くカールしたフワフワの髪の毛が大人っぽくて。
やっぱりきょーくんの彼女になる人は綺麗で大人っぽい人が多い。
「一緒に?」
「ええ。ダメ?」
何だか私はおじゃま虫な気がしてきて、更には自分とまりなさんのあまりの違いに、ガクッと落ち込んでいるとグイッと腕を引かれた。



