その後真帆ちゃんもこの場を去り千紗と2人になった。
「私、山野くんに謝った方がいいかなぁ?」
「はっ?なんでよ」
「だって山野くん怒ってたし」
「あれは真帆がしつこく言ってたからでしょ?」
「それもあるけど、私なんかとお似合いだなんて言われて嫌な気持ちになっちゃったかもしれないし⋯」
だから山野くんに謝りたい。
そう言えば千紗ははあ~、と大きなため息を吐いた。
「それはない。絶対ない」
「なんで?」
「なんでって⋯あー!もう!小梅ってすっごく鈍感よね?そうだよね!?」
「なっ、何いきなり大きい声で⋯」
「だって何か私の方がモヤモヤする!小梅の鈍感治してあげたい!」
「鈍感じゃないよ?って今はその話じゃなくて、」
「山野の事でしょ?まあ絶対に違うと思うけど、小梅が怒らせちゃったと心配なら謝ってくればいいんじゃない?」
「やっぱそうだよね、うん。そうする!」
そう言って立ち上がった私に
「ほんっと面白い子だね、小梅は」
と千紗が呆れた様に笑った。



