「⋯」

「⋯」

「⋯梅、」


少しの間が空いて、きょーくんが何かを言おうとした。


だけど私はきょーくんから放たれる言葉の全てが怖くて、もしかしたら真帆ちゃんとの話をされるかもしれない。

今、きょーくんと話せば自分が傷つく事になるかもしれない。



そんな臆病な自分がいて、身勝手な理由できょーくんを避けた。




「山野くんっ、行こうっ」



聞こえていたのに。
“梅”と名前を呼ぶ声が。

それなのに聞こえてないフリをして山野くんの腕を取ってきょーくんの横を通り過ぎた。