もちろん山野くんとは何もないけれど、男の子と2人で休日にわざわざ出掛けるなんて⋯
こんな時にきょーくんの顔が思い浮かぶのは変なのかな。
きょーくんに後ろめたさを感じてしまう事はおかしいのかな。
でも、やっぱり迷ってしまう。
「どう?」
「あ⋯うーん、」
「俺も知り合いから聞いたから行ってみたいんだけど」
「⋯うん」
「まあ無理にとは言わないけどさ」
私が迷っているんだと察してくれた山野くんは「考えておいて」と優しく笑う。
「うん、ありがとう⋯」
そんな山野くんに私も微笑んだ瞬間、丁度廊下の曲がり角で誰かにぶつかった。