赤だった信号が青に変わり2人がこっちに向かってくる光景はどこかゆっくりとして見えた。
「小梅ちゃん、偶然だね」
小さく手を振りながら声を掛けてくる真帆ちゃんに「そうだね」と返すも、早くこの場から立ち去りたい一心だった私は、
「⋯梅、」
「ごめん、急いでるの」
何かを言おうとしたきょーくんの言葉を遮ってわざとらしくアイスが入っているコンビニ袋を掲げて見せた。
「⋯、」
「じゃあね、2人とも」
そう言った私の笑顔は自然なものだっただろうか。
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