ドキン、ドキンと心臓が大きく動いている。
目を閉じたきょーくんはまるで中世の絵画から飛び出てきた様な異彩を放っていて。
綺麗すぎる人って言葉が当てはまりすぎている。
「まだ?」
「っ!」
そんなきょーくんの顔を凝視していると目を閉じたままのきょーくんが早く、と催促してきた。
「あ、あーんって事?」
「そう」
あーんなんてそりゃした事あるけど、でもそれは曖昧だけど確か中学一年生の頃が最後だった気がする⋯。
あの頃から私も大人になった。
好きって気持ちも大きくなったし、色んな知識も身につけた。
だからあーんするなんて凄く恥ずかしい。
それにこれって間接キスになるし。
でも!でも!
し、したい⋯。
私って変態なのかな?でもこの際そんな事はどうでもいい!
ガッとスプーンでパフェを掬い、それをきょーくんの前まで差し出した。



