「誰かを好きだって想う気持ちってさ、理屈じゃないんだよ、きっと」
優しい声色でそう言った千紗は泣きそうになる私を見て温かく微笑んだ。
「誰かに何かを言われたからとか、誰かの彼氏彼女だからとか、そういう理由で誰かを好きじゃなくなったりなんて出来ない。だって好きだーって気持ちに理性なんて効いてくれないもの」
「⋯!」
「それに好きな人を独り占めしたいって気持ちとか、その人が他の人と結ばれたりした時に感じる嫌悪感とか暗い感情、ましてやその相手が友達ならいっぱい嫌な感情出て来て頭をグチャグチャになったりするのは当たり前だと思う」
「⋯、」
「小梅は今まで片山先輩に恋してきて、いっぱい幸せな気持ちを感じたと思うし、時には切ない気持ちも感じたと思う」
「⋯うん」
「でも、その頃とは比べ物にならない程苦しい感情を今感じてる。そうでしょ?」
「⋯っうん、」
「恋って幸せな感情だけじゃないからさ。時には胸が本当に張り裂けてしまうんじゃないかってくらい辛い思いをする時もあるよ」
「⋯っ」
「でもそれって当たり前のことだと思う」



