「じゃあ今日はこの辺で解散にするか」
二十代後半くらいの男の担任の声に皆一斉に席を立ち途端に騒がしくなった教室。
今日は入学式という事もあって授業はなく午前中には帰宅する事になっている。
その為入学式も終わり、色々な書類なども貰った後は担任の話が少しあっただけで解散となったのだ。
「じゃあ小梅、また明日ね」
「うん!また明日」
千紗とも挨拶を交わして一人靴箱へと向かう。
本当はきょーくんと一緒に帰りたいけど⋯さすがに2年生の教室に突撃して「一緒に帰ろ!」という勇気はない。
それに⋯今きょーくんには同じ学校に居る同い年の彼女がいる。
だからきっとその人と帰るんだろうなぁ⋯なんて思いながら勝手に落ち込んでいるとポン、と肩を叩かれた感覚がして後ろを振り返った。



