「よし、持っていくものはこれで全部だよね?」

「うん、そうだと思う⋯」

「じゃ、行こうか」



あの後山野くんは「天気いいね」なんてわかり易すぎる気遣いを言ってくれたけど、今でも頭の中はきょーくんの事でいっぱいだった。



「真白さん地球儀重くない?」

「大丈夫⋯私の方こそ重いもの山野くんにばっか持ってもらっちゃってごめんね」

「俺は大丈夫」

「うん⋯」

「⋯⋯真白さん、」

「⋯うん」

「ましろさーん、」

「⋯うん」







「片山先輩」



「っえ⋯」



きょーくんの名前に思わず山野くんの方を見れば彼は普段の爽やかな笑みとは違う無邪気な、それでいてどこか寂しそうな笑顔を向けていた。