「あの、ありがとう⋯手伝ってくれて」 あの後、私と同じく日直だったらしい山野くんは千紗に「俺も行くから」と言って先生の雑用を頼まれてくれた。 だからそうお礼を言ったのだけど山野くんは何故かプッと吹き出してしまった。 「なんで真白さんがお礼言うの?」 「え?」 「だって俺も日直だし。女の子に押し付けるわけにもいかないでしょ」 「え、あ⋯それもそうか」 「うん。だから気にしないで」 言われて見れば山野くんの言う通りで⋯。 未だにケラケラと笑っている山野くんを見たら何だか私まで笑えてきた。