「おーい日直ー、次の授業で使う道具教材室から取ってきてくれー」
お弁当を丁度食べ終えた時、教室のドアの所から顔だけを出した社会科の教師にそう言われた。
面倒なことに今日の日直は私なのだ。
「今日なんか地図と地球儀使うとか言ってたね」
「うん⋯仕方ないから教材室まで行ってくるよ」
「手伝おうか?」
そう言った千紗に、少し迷ったもののわざわざ千紗の手を煩わせる事はないと断ろうとした時、背後から人の気配がした。
「俺が行くから大丈夫」
「っ山野くん⋯!?」
「お、山野じゃん」
その人物は山野くんで、驚く私に彼はニカッと笑ってみせた。
「今日俺も日直」
と。



