勢いのまま向かうのは2年生の教室。 「⋯っきょーくんっ!」 ドアの前で片山恭也の名前を叫んだ私に一斉に集まる視線。 でも今はそんな事気にならない。 真っ直ぐこの目に捉えるのはきょーくんだけ。 「梅、どうしたの?」 そんなきょーくんが友達の輪から離れて私の方へとやって来た。 “どうしたの?”って? いつもと変わらない声色、表情。 それが無性に腹が立った。 悲しかった。