「これも協力してくれた小梅ちゃんのお陰だよ!ありがとう!」
「⋯⋯」
「あとでたっぷりお礼するね!」
幸せそうに笑う真帆ちゃんに、私は笑えなかった。
お礼なんていらない。いらない。いらないよ。
「ねぇー、真帆ー!ちょっとこっち来て話聞かせてよー」
黙り込んだ私を真帆ちゃんが不思議そうにした時、教室のどこからか真帆ちゃんを呼ぶ声がした。
恐らく、きょーくんの彼女となった真帆ちゃんから色々聞きたいのだろう。
「真帆ちゃん、行って来て?」
「あ、うん。じゃあまた後でね!」
真帆ちゃんが離れた途端に、ホッと息を吐いてしまった私は最低だ。
おめでとうと、良かったねと言えない私は最低だ。
最低な私はそのまま、教室を飛び出した。



