未完成のラブレター。 【完】



「小梅って片山先輩の事好きなんだ」

「っ!な!」


疑問形ではなく言い切られてしまい顔がかぁっと熱を持った。

恥ずかしけれど違うよ!とは言えないのはそれが事実だからだ。



「誰にも言わないでね⋯?」

「どうしてよ」

「だって片思いだし、⋯きょーくん⋯彼女いるし⋯」

「彼女?」

「うん⋯」

「まああんなカッコイイ人いない方がおかしいか⋯」



そう、千紗の言う通りきょーくんみたいな人に彼女がいない事の方がおかしい。


でもきょーくんの彼女はよく変わる。

私の知っている限り三ヶ月以上続いた人はいない。


だから叶わない恋なんだから諦めなくちゃと思った事も何度もあったけど付き合って別れてを繰り返すきょーくんを諦めきれずにいる。




「ところで小梅と片山先輩の関係って何?」



例えそれが絶対に叶わないとしても。



「私ときょーくんの関係はね─────、」



頻繁に変わる彼女にすらなれない存在だとしても。






「幼なじみなんだ」





どうしても諦められないんだ。