下駄箱できょーくんと別れて教室に向かうその間も好奇の視線に晒され続け、教室のドアを潜った瞬間だった。 ドン、と身体に衝撃が走りよろめく。 あ、倒れる⋯と覚悟した時、肩に温もりを感じた。 「っぶねぇ。大丈夫か?」 その声にぎゅっと閉じていた目を開けて上に視線を向ければ男の子の顔が。 「大丈夫か?」 男の子は心配そうに私の顔を覗き込んだ。 ち、近い⋯。 思ったよりも近くにある男の子の顔に全身の血が一気に活性化したような暑さを感じてバッと視線を逸らした。