「私、可愛いものや綺麗なもの、美しいものが大好きなの」
「へえ⋯」
「それは物だけに限らず人間も同じなの」
「人間⋯?」
いまいち千紗の言っている意味が分からずに首を傾げる。
「つまり、美しい人間が好きなの!例えば片山先輩とか、小梅とか」
「うぇ!?」
「何よその驚き方、普通の事でしょ?美しいものが好きって⋯」
「そうだけど⋯、ってそうじゃなくて!」
「?」
「きょーくんが好きって!?というか、私が美しい!?」
千紗の言葉にはてなマークとビックリマークだらけの私に千紗はふふ、と笑う。
「美しいじゃない、片山先輩も小梅も」
「きょーくんは分かるけど!でも私は⋯」
「気づいてないの?小梅ってすごく可愛いし美しいじゃない」
「⋯冗談言わないでよ」
「冗談じゃないって、その大きな瞳に小さな鼻、赤い唇に⋯美しい顔立ちだわ」
私の方をうっとりした表情で眺める千紗の方がよっぽど綺麗な顔立ちだと思うけどな⋯。



