未完成のラブレター。 【完】



「小梅って朝クラス表の所で片山先輩といた子よね?」

「え?⋯あ、うん、そうだよ」


突然きょーくんの名前を出されて心臓がドキンと音を立てた。

ちなみに片山先輩とはきょーくんのことで、本名は片山恭也(カタヤマ キョウヤ)。1つ年上の高校2年生だ。


「やっぱり」

「どうして?」

「すごい話題になってたから。片山先輩と親しそうにしてる新入生がいるって。凄い噂よ?気付いてなかったの?」

「えっ⋯、そんな噂になってる?」

「なってるなってる。それに私は個人的にも凄く気になっててね」

「個人的に?」


私が首を傾げると千紗は怪しげな、けれども妖艶な笑みを浮べた。