未完成のラブレター。 【完】




「え⋯?」

「何かずっと大人しいし。頑張りすぎた?」



きょーくんは勘違いしてる。

真帆ちゃんにモヤモヤしていた事も、今俯いた理由も勉強に久々に真剣に取り組んだからだって。


確かに頭を使ったし疲れたは疲れたけど⋯そういう事じゃないのに。



だけどそんなきょーくんの鈍感な所に焦ったりイライラしたりしてしまう事もあるけれど、助かったりそんな所も結局好きだなって思ってしまう私はもう完全にきょーくんの毒牙に侵されている。





「ふふ」

「どうした?」

「ねぇきょーくん」

「ん?」

「テストの順位が50位以内に入ったら一緒にチョコレートパフェ食べに行ってくれる?」




50位以内なんて我ながら低い目標だけど、200人近くいる1年生の中で50位以内は私からしたらとても高い目標で。


それに、きっとそんなお願いしなくても私が一緒に行こうと言ったらきょーくんは一緒に行ってくれるんだろうけど。




こうした方が私は頑張れるから。

それにせっかく教えてくれるきょーくんの為に頑張りたいから。

もっともっと成長したいから。





「お願いします、きょーくん」