それからきょーくんは私の隣で歩いてくれた。
だけど真帆ちゃんとも会話を交わしていて、変な空気にはならなかった。
「あ、私の家ここなので」
学校から少し歩いたところで真帆ちゃんが足を止めた先には可愛らしい煉瓦造りの一軒家。
どうやらここが真帆ちゃんのお家らしい。
「片山先輩、今日は本当にありがとうございました。勉強していたはずなのに楽しかったです⋯!また明日もよろしくお願いします」
ぺこりとお辞儀をした真帆ちゃんの頬は赤く染まっていた。
「送ってくださってありがとうございました。帰り気をつけてください。小梅ちゃんもまた明日」
「うん。またね真帆ちゃん」
「また」
玄関の前でヒラヒラと手を降る真帆ちゃんに手を振り返してその場を後にした。



