「今日はここまでにしよう」
「はーい!もうすっごく分かりやすかったです!また明日もよろしくお願いします!」
時計の針が6時を回った頃、やっと息苦しい時間は終わった。
息苦しい、なんて教えてもらっている身で最低だけど、きょーくんと真帆ちゃんと私の3人の時間は本当に苦痛だった。
苦しかった。
だからやっとホッと息を吐けたのに⋯⋯
「小峰さん、もう遅いから送っていくよ」
「そんなぁ、⋯っありがとうございます!」
「え⋯」
「もう外暗いし1人で帰るの怖かったんです」
「うん。危ないし送っていく」
ニコニコと笑う真帆ちゃんとは対象的に私の今の顔はきっと、酷く歪んでいる。
だってせっかくもうこの空間から抜け出せると思ったのに⋯。
こんなこと思うなんて私、本当に最低だ。



