学校を出ると外は真っ暗で暗くなった道を2人で歩く。



「きょーくん、今日は本当にありがとう」



きょーくんは相変わらず教えるのが上手で今日だけで随分と分かる問題が増えた気がする。




「梅は飲み込みが早いからこっちもやり易い」

「きょーくんが教えるのが上手なんだよ!」

「そう言ってもらえるなら良かった」

「本当にありがとうね。それとまた明日もよろしくお願いします」

「明日も頑張ろうな」

「うんっ⋯!」




勉強が苦手な事はきょーくんも知ってる。
だからきょーくんは“頑張ろう”と言ってくれたんだ。

もうその言葉だけでいくらだって頑張れるよ。




どこからか香ってくる晩御飯のいい匂いがする中、家路についた。