鮮やかな桃色をした桜の花びらも完全に姿を消し、青々とした葉が生い茂った頃、私は高校生になって初めてのピンチを迎えていた。





「千紗ー、どうしよう私自信ない」

「小梅って頭良くないんだ?」

「うん⋯かなり悪い。この学校も奇跡的に受かったくらいだし」




そう、ピンチとは中間テスト。
初めてのテストとだけあってここで悪い成績を取るわけにはいかない。

だけど私はかなり勉強が苦手で、この学校も私の元々の偏差値では到底受からないといわれていたくらだ。

だけどきょーくんと同じ高校に行きたいという一心で勉強に励み、奇跡的に合格した。




その合格から早くも数ヶ月、私は全くと言う程勉強をしていなかった。






「どーしよー千紗ぁー」

「私に言われてもねぇ。私勉強は得意だけど教えるのは苦手なのよ」

「そんなぁ⋯」

「ていうか、それこそ片山先輩に教えてもらえばいいでしょ?」

「え⋯」

「何よ?」

「でもきょーくんもテストだよ?迷惑じゃない?」



確かに受験の時はかなり勉強教えてもらったけど⋯今回はきょーくんだって自分のテストがあるはず。



「迷惑じゃないと思うけど。まあ心配なら本人に聞けばいいじゃない。引き受けてくれると思うけどね」

「なら、そうする」

「そうしなさい」


千紗の助言もあり私はさっそくきょーくんに頼む事にした。