「もう何組か見た?」 「うん!A組だったよ」 「そっか」 周りの新入生はきょーくんの登場に未だ驚きと喜びを隠せていない。 そこら中で「あの人誰?」とか「先輩?」とか「片山先輩だよ!片山先輩!」とかきょーくんに関する事ばかりが囁かれている。 けれど当の本人はそんな事一切気にしていないようで⋯というより騒がれる事には慣れたといった方が正しいのかもしれない。 「じゃあ俺もクラス表見てくる。入学式寝るなよ」 なんて笑いながら上級生の靴箱の方へと向かって行った。