【男スポ短編】‡おわりのはじまり‡

既に私の喉からは一目で致死量とわかる程、滂沱として血が流れてる。


それは全部夏樹へと流れ落ちてる。


……?血?全部?


違うね。なんだろ。目からも血が流れてる?


あぁ。涙だ。良かった。まだ私でも涙は流せるみたいだ。


……ごめんなさい。


私は無意識のうちに小さく呟いた。


それから力一杯ハサミで喉を切り裂いた。


まるで水しぶきみたいに円の軌道を描いて私の血が舞った。


やっと、やっとこれで夏樹は私の血の香水に染まった。


それにきっと夏樹の心の中に残る。それがどんな形であれ夏樹が私を忘れる事はない。


……私は死ぬ。だけど夏樹の中で私は生き続ける。ふふ、素敵な矛盾だね。


だけど夏樹が生き続けるなら私も一緒。それは永久にね。