【男スポ短編】‡おわりのはじまり‡

夏樹を私の香りに染める。


あの女の匂いは消す。それは表面的なものだけじゃない。


表面から内面にある全て私で消す。


切っ先が徐々に喉にと入り込んでいく。最初は僅かな血が流れて、夏樹へと落ちゆくだけ。


血が流れる。死へと近づく。


「私はあなたの目の前で、……散るよ」


……そんなに強張らないで。私は夏樹は傷つける気はないよ。


ただ、私に染まって。


私の血に染まって。


不思議なものだね。全然痛くないんだよ。なぜだかね、嬉しいよ。


ハサミは切っ先から取っ手まで喉に刺さった。後は横に裂くだけ。