あなたと私の歌

私、雨路 ノコ。17才。身長168センチ。体重は秘密。
ボブヘアーで、身長が高いのが特徴的な女子です……。

身長が高いのは結構コンプレックスだけど、男子やイクミよりは、低いので最近あまり気にならなくなってます。
と、
「ノコーーーーーー！」
「ん？」
なにやら、私の名前を呼ぶ声が聞こえる。声がする方を見てみると、イクミが猛ダッシュで私に抱きついてきた。というか、ぶつかって来た。
「うわっ！」
「はぁ、はぁ、はぁー」
「どうしたの？イクミ？」
「とりあえず落ち着いて」と言って、水が入ったペットボトルを渡した。
イクミは、その水を3回ほど飲むと、呼吸を整えてから、話し出した。
「今年の1年ヤバイ。イケメンだらけ」
「は……あー、だから調査してくるとか言ってたんだ」
5分ほど前に、イクミは、ちょっと調査に行ってくると言って、お昼時間、お弁当をまだ食べていない。なので、私は、1人でお弁当を食べていた。
「そう、でも可愛い子も多いの！ライバルめっちゃ多い！」
「ライバルって、あんた、1年生狙ってるの？」
「え、うん。そうだけど」
やはり、この子は何も考えていないようだ。
だが、そこが男からは天然で可愛いと言われている。
綺麗な顔をしているイクミは、きっと、告白すれば誰とでも付き合えるだろう。実際、イクミはモテる。でも、
「やめといたほうがいいよ……」
「え、なんで？」
「だって、私達もう3年だよ？1年生と付き合ったら、卒業した後もう、会えないよ。それってなんか、寂しくない？」
自分でも、ちょっと現実的過ぎることを言ったかなと思ったが、イクミは、ケロッとした顔で、
「でも、好きになったら、しょうがないじゃん」
と、私にはよく分からないことを言った。
「でも……」
「それより、聞いて！」
話そうとした私の口を手でおさえて、イクミは、話し始めた。
「今年の1年にはね、人気グループがいるの……。そのグループは、イケメン2人、美女が1人なのよ。だから、みんな、そのグループのことを三角形グループって呼んでるの！」
（三角形グループ？あー、なるほど三角関係だからか。っていうか、三角関係なの？）
勝手に納得しようとしていたところで、興奮気味のイクミがやっと手を離した。と思ったら、今度はその手が私の手を掴み、ぐぃっと引っ張り始めた。
「ほら、早く。見てくるよ！」
「ちょっちょっとイクミー」