思い切って、電話で聞いてみるっていうのは?

仕事中だけど、会議とか企業訪問中とかじゃなければ、私みたいな部署と違って、携帯に出れるだろうし……

出てくれなければ、それはそれで仕方がない。

よし。

連絡してみよう。

そう結論を出し、社員食堂の席を立つ。

片づけをして、携帯電話を握り締め、人気のない廊下の隅で高輪マネージャーの番号を画面に表示する。

発信すると、聞こえてくるコール音。

架けてしまったものの、徐々に緊張感が高まっていく。

何だかふと、昔、片思いしていた相手に電話を架けた時、

ドキドキしながら繋がるのを待っていた瞬間のことを思い出してしまった。