凌一とのあの時間が唯一の潤いの瞬間って思っているのに、全然ダメだなんて……

正直、ショックだ。

でも、それは何となく感じていた事でもあって……

高輪マネージャーに見透かされているみたいで、嫌だなと思う。

それでも、何となく物足りなさや虚しさを感じていても、

本当に何もなくなってしまったら、もっともっと飢えて、虚しくなってしまいそうな気がして、

欲望を吐き出すだけの行為であっても、止められない関係―…


「……」


ロミ男と目が合う。

ロミ男は、こんなダメな飼い主の事を何でも知ってる。

どんな思いで何時も話を聞いてくれてるのかな。

まぁ、亀に意思があるかは謎だけど……

謎だけど、


「潤いって何……?」


ポツリ、そう、

問いかけた。