『さよちゃんこそ、誰かいるの?』


興味津々で聞いてみたけど、さよちゃんは首を横に振った。


『私なんてダメだよ、誰も相手にしてくれないから』


少し寂しそうなさよちゃんが、ちょっと気の毒に思えた。


『そんな事ないよ、さよちゃんいい子だし、好きな相手がいるなら頑張ってアタックしたらいいよ』


本心だった。


『ありがとう…でもね、私、本当に好きな人いないの。だから、ダンスの相手は…残った人かな』


そう言ってさよちゃんは笑った。