冷蔵庫を漁った結果、カレーのルーを発見したので今日はカレーにすることにした。
情けない話だが、普段料理は完全にお母さん任せなので、レシピを見ずに作れる料理がカレーしかない。
制服から部屋着に着替え、シンクの上に、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを並べて腕まくりする。
「よしっやるぞ!!」
大きめの声で呟いてから、どうも一人だと独り言が多くなるなぁと思った。
「ま、いっか!」
気を取り直してじゃがいもを手に取った瞬間、
ビシャンッ…!!
「ひぃ~~!!」
突然鳴り響いた雷に、じゃがいもが足元に転げ落ちる。
しゃがんで拾おうと手を伸ばすと、その手が微かに震えていることに気付いた。
――雷は苦手だ。というか嫌い。
昔から音が大きくて怖くて大嫌いだったけど、
小学校2年生の時、お母さんがどうしても外せない用事で家にいなかった日、大きな雷の音と共に停電したことがあった。
真っ暗闇の中、ゴロゴロと唸るような雷の音。
こわくてこわくて堪らなくて、ひたすら一人で泣きじゃくった。
それから雷は本当にトラウマなんだ。



