『ベネディカぁあぁあぁあ!』

…この衝撃的な私の異世界デビューから早2日。
私を産んでくれたベネディカ─お母さんは、もう居ない
それどころか、埋葬に、葬儀も済んでいる。
私は目が開いた。赤ちゃんの頃は目があまり見えない
らしいが、異世界では違うのか物がはっきりと見える。
お母さんの両親、私にとっての祖父・祖母は1度
会いに来たきり来ない。そしてなんともびっくりした
のが、祖父は鹿の角、祖母は羊の角があったこと。
髪色が祖父は赤茶、祖母は純白だったこと。
どうやらこの世界は、動物が人間のような見た目に
なっている世界らしい。私の乳母は、リラと言ってとても
優しい。リラは兎だ。紅い目が可愛い。リラは私を抱っこ
して、散歩してくれる。そしてたまたま鏡があったので、
私を映してくれた。想像以上だ…!!私は猫のようだ。
猫耳に小さな牙、モフモフのピンクがかった白い髪。
そして何より、水色と金色のオッドアイ。
めっちゃくちゃ可愛い…!!(自分で言うのもなんだが)
ここでふと思った。祖父祖母は草食動物だった。多分母も
そうなんだろう。じゃあ私が肉食の猫になったのは、
お父さんの血ということになる。お父さんて、会ったこと
ないな…。