『おぎゃあぁあ、おぎゃあぁあ!』
(…赤ちゃんの泣き声…?どこの赤ちゃんだろ)
『ベネディカ様!お生まれになられましたよ!女の御子様
です!……ベネディカ様?ベネディカ様!!!』
(うるさいなぁ…どうしたんだろ)
『ベネディカ!!どうしたんだ、ベネディカ!!』
『………お父、様…………お母、、様……ぅう…………』
『どうしたんだベネディカ!』
『ベネディカ!どうしたの!意識を失ったりして……!』
『おい医師、私の娘はどうしたのだ!!』
『…旦那様、ベネディカ様は……お産の際大量に出血を
しすぎて……』
(さっきから人が寝てるのに…うるさいな……って……え?
動け……ない。でもこの感触って……抱っこされてるの?
それにこの泣き声って、まさか私の?!……でもそれだっ
たら、目があかないのも動けないのも説明がつく。じゃあ今聞いてる限りで死にかけてる女の人は……お母さん、ってこと?!)
『……この、子、を…………頼み……ま…す』
『……何言ってるのよベネディカ!!気をしっかり!』
『そうだぞベネディカ!お前が育ててやらねば!!』
『…………名前…………クオレリア…………に…』
(お母さん……死なないで欲しいよ!)
〔…医師が脈を測る…〕
『ベネディカ様…………ご臨終です…………』