かわいい戦争



もう一回試そうとした直後。



「てか、そこにいんの、マスク女じゃねぇか」



高身長の男の子に指差された。


タイミング良すぎ!!

あとちょっとで帰れたかもしれないのに!


マスク女、なんて呼ばれ方してることにはもはやつっこまないぞ。



「ふーん?ちゃんと逃げずに来たのか」



いえ、無理やり来させられました。



「よく無視しなかったな」


「俺が直々に招待してやったんだぜ?無視する奴なんかいねーよ」


「なんで上から目線なんだよ」



低身長な男の子と高身長の男の子まで、わたしに接近してきた。


目の前が、すごい。
とにかくすごい。

どこを見ても、イケメンしかいない。


だけど怖い。

檻のないところで猛獣と対峙してるみたい。



気を張ってないと、失神しちゃいそう。いろんな意味で。




「少しは感謝しろよ。この子は気分屋なお前のわがままを、仕方なく聞いてくれたんだぞ?」


「わがまま?これは命令だ」


「命令ならもっと感謝してやれよ。可哀相だろ」


「はあ?俺が感謝?なんで。感謝すんのはそっちだろ」


「それこそなんでだよ!」


「俺に会えたから」


「確かにお前はクズな性格だがモテるし、クズなことをしても女はきゃーきゃー騒ぐけどな、少なくともこの子は違うみてぇだぞ?」


「俺の性格はクズじゃねぇし、クズなことなんかしたことねぇよ」


「どの口が言うか」


「だけど、」




真っ黒な瞳が、わたしを捕まえた。



「だけど何だよ」


「やっぱこいつ、おもしれーな」