「ラーメン?ラーメンなんて頼んだの?」
「だってこの子の家、ラーメン屋だもん」
「ああ、そういうことね」
「そーゆーこと。はいこれ、お代ね~」
美人な男の子の後ろから、学ラン肩かけ男がひょこっと顔を出した。
手のひらに乗せられたお金は、お代ぴったり。
「ま、まいど!それじゃあ……」
「よかったね」
ようやく発せられたセリフと共にこの場を去ろうとした。
だが、
――グイッ
お代を握り締めた手を、突然引っ張られた。
学ラン肩かけ男のせいで
また、あっけなく
きらびやかで、おっかない
『“悪い子”の巣窟』に踏み入れてしまった。
「用ができて」
こ、この人……!!
やっぱりわざとだったの!?
「わざわざ来てもらっちゃってごめんね~」
用はできたんじゃなくて、あなたが無理やり作ったんでしょうが!!
そのご満悦そうな笑顔が癇に障る!!
「謀りましたね!?」
「ん~?何のことかなぁ?」
「とぼけないでください!」
「俺はただここに来る口実を作ってあげただけだよ?」
それを謀ったって言うんです。
口実なんか作ってもらわなくても結構だったんです!



