かわいい戦争






その日は一日中警戒していた。



またあの2人が現れるんじゃないか、と。

それだけでない。



授業中は、クラスメイトの好奇と嫉妬の視線に。


休憩中は、急激に広まりつつある噂に。


掃除中だって気を抜けなかった。





……だけど。





「何も、ない……?」



不安要素が大ごとになることはなかった。


授業も掃除も無事に終わり、まだ微妙に残る緊張はあれど、こうして靴を履き替えて校舎を脱出できた。



「よ、よかった……」



下校しながら、ホッと肩を下ろす。



なんだ、学ラン肩かけ男が言ってたのは単なるデマだったのか。


そりゃそうだよね。

神雷に関する用事が、都合よくできるわけがないもん。


思惑通り、口八丁にハメられちゃったよ。アハハ。



クラスメイトや同じ班の女の子たちにいろいろと質問攻めされたのは地味に精神的に疲れたけど、終わりよければ全てよし。




警戒心が解け、身体が軽くなる。


清々しい気分で家へ帰った。




今日も今日とて賑わう繁華街。


そういえば今日は金曜日だっけ。

いつも以上の活気に納得しつつ、「素野真汰の店」と派手に記された看板のお店に入った。