かわいい戦争




今までよくわからないことに巻き込まれたし。


お店を手伝う時間を削りたくない。



「わ、わたしには、用はないので……」



はっきり本音をぶっちゃけて、大勢を敵に回す度胸はなく、当たり障りない答えではぐらかす。


それでも美人な男の子は、無気力げに小首を傾けたまま。



「でも、リッキーは君に用があるって……」


「用、ねぇ~?」



美人な男の子の肩に手を置き、軽快に遮られる。


ニヤリ、と金色の眼が三日月型に細められた。



学ラン肩かけ男……!!


何を考えてるんだろう。


怖い顔をしてる。

何か企んでそうな……。



「用があれば、たまり場に来てくれるってこと?」



そ、それは……。

うぐ、と言葉に詰まる。



「そうだよねぇ?」



嫌みったらしく再度追い詰められ、



「そ、そ、そうです、けど……」



思わずうなずいてしまった。


これがきっと、運の尽き。




「だ、だけど、わたしに用はないですよね?だったら……」


「それはどうだろうねぇ?」


「え……?」


「今だけの話かもしれないよ?」




どういう意味?


瞬きすら忘れて目を瞠るわたしに、学ラン肩かけ男は余裕たっぷりな笑みを浮かべた。




「何かいい案があるの?」


「まあね~」


「ふーん。なら任せた」


「うん、任せられた」




2人がコソコソ話している間もずっと、さっきの意味を考えていたけれど、ちっとも正解にたどりつけなかった。


ただただ黄色い歓声ばかりが思考回路を鈍くさせていた。