かわいい戦争




夕日を丸飲みした悪天。

暗闇と化した街中にもかかわらず、目の前のストーカーには光が()していた。



「うっ……眩しい。な、なんだ……!?」



振りかざした腕が、ゆっくり下がっていく。



白みがかった、黄金の光。

……これは、ライト?


後方で轟くエンジン音が大きくなっていくに比例して、その光の及ぶ範囲も広がっていく。




「あのさ、お前さー」



数歩後ろで、エンジン音が止まった。


代わりに鼓膜を揺らしたのは、ダルそうな低音。



「位置情報だけ送ってくんじゃねーよ。意味理解すんのに時間かかったじゃねーか」



振り向けば、そこには4台のバイクが停まっていた。


ライトに反射して、顔が見えない。



でも、このハスキーボイス。

間違いない。


あの性格の悪い、高身長の男の子だ。




「嘘つけ。意味はすぐわかったのに、行くか行かないかで迷ってたじゃねぇか。俺が無理やりバイク乗らせなきゃ、来るつもりなかっただろ。このクズ男め」


「別にいいじゃねーか、結果ここに来たんだし」


「迷ってる間に璃汰に何かあったらどうしたんだよ!」


「まだ何もされてねーっぽいじゃん」


「それは結果論で……って、マジ?まだセーフ?間に合った?」




低身長の男の子もいる。


璃汰は神雷のほうにもメッセージを送っていたんだ。