かわいい戦争







――あ、いた。




信号機の手前。

横断歩道より約50メートルほど離れた場所にある駐車場。


そこの近くに、璃汰はいた。



見覚えのある男性と一緒に。




あの人……あ、そうだ。昨日神雷の2人が脅した、璃汰をストーカーやら盗撮やらしていたっていう、あの人だ。


昨日蹴られたりカメラを奪われたりしていたのに、懲りていなかったの?



神雷のたまり場からここまで、予想よりはるかに速くたどり着けたものの、やはり璃汰を待たせていた時間はどうしても存在してしまう。


横断歩道からこの駐車場付近まで移動していたのは、璃汰が独りで戦っていたんだろう。



ごめんね。

怖かったよね。


今、来たよ。




「璃汰!!」




お腹の底から叫ぶ。


ストーカーに抱かれた肩が、ビクリと震える。



反射的にこちらを向いたグレーの瞳は

駆け寄るわたしを不安げに捉え


わずかに瞠ると、きゅっと鋭くなった。



「……っ、おっそい!!」



うん、ごめん。

ごめんね。



遅くなって、ごめん。


ひとりぼっちにして、ごめんね。



わたしは璃汰のものなのに。