かわいい戦争







わたしの朝は早い。



それでもさらに早めにセットした目覚まし時計に叩き起こされ、嫌々ながらもむくりと枕元を離れる。


半分も開いていない寝ぼけ眼のまま、顔を洗って意識を覚醒させる。



それから毎日のルーティーンをテキパキとこなしていく。


ただいくら慣れていても時間がかかるのがネックなんだよなぁ。一瞬でパパパッと終わらせてしまいたい。





ルーティーンのついでに、ヘアスタイルのセットもする。


色素の薄い茶色のボブは、軽くとかして、コテで軽く内側に巻く。



「ふぅ、こんなもんか」



鏡を要チェック。

おかしなところがないか、最終確認。



「寝ぐせなし、巻き方もよし、顔面もよしっと」



最後に大事なマスクを付け、準備完了。



「……って、あ!パジャマのままだ!」



全然準備完了じゃない!

制服に着替えなきゃ!


慌ててパジャマを脱ぎ、制服を着る。


上着はもちろんお父さんのおさがりのスカジャン。


首元をチョーカーで飾り、今度こそ準備完了。



いつもはこのあと学校に行く時間なんだけど、今日は昨日頼まれたお弁当を作る。


わたしの分と、璃汰の分。

2つのお弁当箱にご飯とおかずを詰め込めば、完成。




いつもより30分早めに家を出発する。


学校を目指す前に、通学路の途中にある寂れた公園の前へ向かった。





「おっそい!!」



あちゃー。

公園の前には、既に璃汰がいた。



「おはよう、璃汰。ごめんね、遅くなっちゃって」


「あたしを待たせないでよね」