かわいい戦争



そうだよ。
作ってるだけだよ。

わたしの“かわいい”はまがい物。


だからまがい物なりに頑張ってるんだけどな……。



「作った“かわいい”が偽物だって誰が決めたの?」



落としかけた肩をぐっ、と璃汰の手が鷲掴みにする。


どうして璃汰が熱くなってるの?



「外見も、性格も、メイクも、仕草も……どのかわいさだって本物よ。“かわいい”は全部正義なの。偽物なんて存在しないわ」



どうしよう。

今度はわたしが泣きそうだよ。



「ねぇ、ほら、見て?」



いきなり璃汰がわたしに顔を寄せた。


ほっぺたをくっつけてほころぶ。




「あたしの友達、とってもかわいいでしょ?」


「ちょ、ちょっと、璃汰……!」


「メイクは上手だし、料理も得意。お人好しなくらい優しくて、照れ屋さんで、友達のためなら体を張って助けてくれる。あたしの知ってる誰よりもいい子なの」


「そそそ、そ、そんな……そんなことないよ……!!」


「そんなこと大ありよ。これでも褒め足りないくらいだわ」




璃汰に真正面から褒められたことって今まであんまりないせいか、なんだかむずがゆい。


これじゃあバカップルみたいだね。