かわいい戦争



「そう、ですね。キャバ嬢のドレスを着た写真も載っていましたね。あれは……あたしです」



待って。

ねぇ、璃汰。


どうして。



「えっと……働いては、ないんですが……その……母のことを知りたくて……」



拙い言い訳。

つっかえた喋り方。


どうしてそれらしいことを言って笑うの。



やめて。

嘘をつかないで。


璃汰が背負うことなんかない。


事実だけを伝えてよ。



ねぇ。

璃汰。


どうしてよ。


今わたしを守ろうとしないでいいんだよ。



『いつでもどこでも璃汰の味方でいる。そばにいる!身代わりだってなんだってするよ!』



そう、宣言したでしょ?



“あの日”決めたんだ。



璃汰だけ戦わせない。


わたしがそばにいる、と。




「璃汰、もういいよ」


「海鈴……!?」



自然と璃汰の隣まで歩み寄っていた。


カメラワークに入ったわたしの姿はばっちり配信に映ってる。



「ど、して……」



だって見ていられなかったの。

璃汰がファンに嘘をつくところなんて。


息苦しそうな横顔をしてほしくなかった。



「璃汰はわたしを庇ってるんです」



ひつじくんの構えるスマホを真っ直ぐ捉える。



マスクもメイクもしてないブサイクな素顔をさらすのは怖いし、逃げ出したい。


だけど璃汰のそばを離れるのは絶対に嫌だから。