かわいい戦争



次から次へとコメントが流れていく。


半分が揶揄、もう半分が幻滅だった。



「ですが出入りしたのは一度だけです。断じて働いていませんし、常連でもありません」



一拍、二拍と置いて、深呼吸。

濁った酸素を溜めてから、吐き出した。



「……母に、会いに行ったんです」



アイドルスマイルで凍らせた仮面の下で、どれだけ打ち震えて臆してるだろう。


いつになく気弱な声音で、ゆっくりゆっくり語っていく。



母子家庭なこと。

リンカさんがキャバクラで働いてること。

親子関係があまりよくないこと。


久し振りに母と話し合ったことも。



「友達が背中を押してくれたんです。本心を聞いて、伝えることは大切だって。そうしないとすれ違ったままだって。……だから今もこうやってライブして、皆の声を聞いて、あたしの声も届けなくちゃいけないって思ったんです」



チラリと璃汰がこちらを一瞥して、甘く含み笑いする。



昨日のわがままは無駄じゃなかった。


今の璃汰に繋がっていたんだね。




『届いてるよ!』

『お母さんとは和解できた?』

『なんだ、働いてないんだ』

『リタちゃんがキャバ嬢だったら遊びに行ったのに』


『でもあの写真は?』

『ドレス着てたよね』

『どう見てもリタちゃんだった』

『本当は働いてたんじゃないの?』




すぐには疑いは晴れない。


ひとつの疑念がどんどん広がる。