かわいい戦争



かわいいな。

かっこいいな。


大好きだな。



それだけでいいのに。


単純だったらよかったのに。




『リタちゃーん!』

『ドラマ降板、悲しい……』

『キャバ嬢ってまじ?』

『ヤンキーなんでしょ?』

『キモ』




難しいね。

心情は容易く移ろいやすく、複雑に絡み合う。


マイナスとマイナスがプラスになれば、こんなに苛まれることもなかった。



「……皆もあたしのニュースを見たみたいだね」



ひつじくんに借りたスマホで璃汰は伏し目がちに視聴者からのコメントを眺める。



「そのニュースについてあたしから本当のことを伝えたくて、ライブ配信をしようと思ったんだ」



このライブはファンじゃなくても観覧できる。

ファンであっても悪口は飛び交う。


それを覚悟の上で配信してる。



璃汰は、今、戦ってるんだ。




「まずドラマ降板は決定しています。楽しみにしてくださっていた方には本当に申し訳ありません。今後ドラマに出演できるよう、日々精進してまいります」




『キャバはー?』

『アイドルとキャバ嬢って兼任できんの?』

『キャバアイドルって新しくね』

『リタちゃん未成年なのにいいの?』

『誰か通報しろ』




「風俗に関しては……出入りしました」




コメントがざわついた。




『うわ、マジだったんだ』

『フツーにショック』

『リタちゃんが遊びに行ったの?』

『ホストクラブじゃないんだ』