泣きじゃくったせいで袖の濡れた上着。
確かにソレなら今の璃汰の服装ともマッチする。
「……そうね。使わせてもらうわ」
サイズは若干小さいが、着れなくはない。
これで少しは汚れが目立たなくなった。
「で、俺らは何すればいいんだよ」
「勇祐と未來は照明係。あたしをスマホのライトで照らして。ひつじは撮影係。あたしをスマホで映して」
「照明に撮影?何か撮るのか?」
「アプリでライブ配信するのよ」
勇祐くんの疑問に不敵に答える。
なるほど。ライブ配信か!
ようやく納得した。
ファンへのメッセージでも撮影してどこかに掲載するよりも、スマホ1台で気軽に行えるライブ配信のほうが璃汰の気持ちを発信できる他に、アプリには視聴者のリアクションがリアルタイムで把握できる機能もある。
いわゆる簡易的な生放送のため、記事が広まってすぐのこのタイミングだからこそよくも悪くも視聴者が食いつきやすく、影響をもたらしやすい。
「ちなみに利希には何させんの?」
「あいつが働くとは思ってないわ。そこらへんで静かにしていてくれればいいわよ」
「ははっ、だな」
苦笑する勇祐くんの頭に肘をつく天兒さんは、毒づかれても変わらず態度がでかい。
「んじゃあ、お前のやり方を見物させてもらうわ。せーぜー楽しませろよ?」
「肘邪魔だ!どけっつの!!」
興味津々な天兒さんをスルーして、璃汰はひつじくんに自分のスマホを預けて撮影方法を教えていた。



