かわいい戦争



合わせ鏡のように2人とも表情がそっくりだ。


涙腺が緩んでどうしようもない表情。



「……なんで……」


「え?」


「なんでリタ先輩が謝っちゃうんですか……!!」



ふくれっ面が次第に苦々しく潰れていく。



「ご、ごめ……ごめんなさっ、」



先に泣いたのは、まろんちゃんだった。



「り、た、せんぱ……っ、ごめんなさい、ごめんなさ……っ。あ、あたし、間違ってました。リタ先輩のこと、何も、っ……わかってなかった、です。ごめっ、ごめんなさ……ほんとに、ごめんなさい……!!」



嗚咽混じりでよく聞き取れない。


ぐちゃぐちゃな顔で謝り続けるまろんちゃんは、少しだけ愛らしく思えた。



「嫌よ、許さない」



涙で濡れた頬を、むにっとつねる。


うん、わたしも。

愛らしく見えたって、今はさすがに許せないかも。




「これだけ傷つけられてすぐ許せるわけないでしょ」


「……ごめ、なさ……っ」


「だからコレはまだ渡さないわ」


「……え?」




ポケットから出された、赤いリボン。


あれはまろんちゃんがずっと髪に付けていたものだ。



「もしまた欲しいと思ってくれているなら、この失態を上書きできるくらい頑張りなさい。そしたら許すか許さないか、コレをあげるかあげないか、考えてあげるわ」



許してリボンをあげるって断言しないところが璃汰らしいな。



「あっ、あたし、頑張ります!またそのリボンをいただけるように!」



涙の膜の張った碧眼が、キラキラ輝く。


薄暗い倉庫に灯る一番星みたい。